2009年1月23日金曜日

エイズで悲しむお母さんを0人に!その1~エイズと女性の状況~

サハラ以南アフリカでは、エイズの影響が最も深刻な地域であり、エイズが死亡原因の第1位を占めています。世界中の成人HIV陽性者の3分の2人以上(68%)と、HIVに感染した子どもの90%以上がこの地域に集中しています。

ザンビアのHIV感染率は、15歳から49歳の成人人口のうち17%(*2006年の国連機関の推計)がHIV陽性者と推定されており、そのうちの約57%が女性です。ちなみに、サハラ以南アフリカの地域でみても、成人のHIV陽性者の約61%が女性なのです。また、都市部の妊婦さんのHIV感染率は25%、農村部では12%との結果が出ています。都市部では、4人の妊婦さんに1人の割合でHIVに感染している状況なのです。

働き盛りの担い手が亡くなっていく一方で、ザンビアでは60万人のエイズ遺児が報告されている現状ですが、このような状況を皆さん想像できるでしょうか?

エイズは、現在「女性の感染」が深刻化しており、特に若い女性への影響が深刻です。その理由の一つには、女性の方が生殖器の粘膜面が広いことや精液中のウィルス濃度は膣分泌液中のウィルス濃度より濃いこと、などにより女性の方が感染しやすい生物学的な理由が挙げられています。

二つ目の理由としては、男女で教育や雇用の機会が平等でない現状があり、特に、若い女性や少女は、情報や保健サービスに手が届きにくく、男性よりも教育を受ける可能性が少なく、経済的な依存性や貧困につながり、性的な関係でも強制や暴力を受けやすい現状があります。

そして、三つ目には、一夫多妻や妻以外との複数女性とのセックスが男性には容認され、安全なセックスを男性に要求できない、またはしにくいこと、が挙げられています。

「処女の女の子とセックスをするとエイズが治る」という迷信をよく耳にします。ある調査結果によると、「25%以上が蚊によって感染する」、「22%が魔女から感染する」、「15%がHIV陽性者と一緒にご飯を食べることによって感染する」など間違った認識をしている人がまだ多く存在しているのです。



このような状況のもと、ジョイセフではHIV予防啓発活動を草の根レベルで現地のNGOであるザンビア家族計画協会(PPAZ)を協力団体として推進してきています。ジョイセフのプロジェクト地区には、村から選ばれた住民を保健ボランティアや伝統的助産師(TBA)として育成し、これまで家族計画を中心に、栄養改善などを含めたリプロダクティブ・ヘルス活動を推進してきました。

住民による保健ボランティアやTBAが、病院や医者がいないアフリカの多くの村では、村のクリニックと村の住民を繋ぐ重要な役割として担っているのです。

そして、エイズの問題が深刻になる中、保健ボランティアやTBAにHIV/エイズに関する研修を行い、これまでのリプロダクティブ・ヘルスにHIV/エイズを統合させた形で、村での家庭訪問や紙芝居を使った啓発教育活動を推進しています。特に、HIV陽性である妊婦さんが子どもに感染させることのないようTBAを対象とした母子感染予防研修を実施してきました。HIV陽性である女性、陽性でない女性、誰もが安心して出産できるような環境づくりに取り組んでいます。

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