2007年7月4日水曜日

出産時に必要な最低限の分娩キット。

ずいぶんとご無沙汰しちゃいましたね。(ごめんなさい・・・)
今日から、数回に分けてジョイセフの妊産婦支援活動を紹介します~。

これまで、途上国の多くの女性たちが、妊娠・出産時に亡くなっている(寿命も短い・・・)・・・
その理由が、
日本をはじめ、先進国で生活していると、想像がし難い理由ばかり。
村に病院がない、
出産を介助できる専門知識のある人もいない、
不衛生な環境、
栄養失調、貧血
無知(必要な情報を得られない)、
嘘の迷信や慣習を信じている・・・

などがあげられると書きました。



さて、下の写真を見てください。
この赤い箱は何だと思いますか?

これは、ちょうどトランプの箱くらいの大きさの紙でつくられた箱です。




絵から、なんとなく、
お母さんと赤ちゃんのための何か
であることは想像できると思います。


そうです!

これは、お母さんと赤ちゃんを救う箱なんです。

箱の下の方に

MCHという英語がありますね。

その意味は、まさに、

Maternal (お母さん)
Child (子ども)
Health (健康)


この箱の中に、下記のような6つの道具が入っています。

これが、実は、ネパールで使われている
お母さんが自宅で出産する際に「必要最低限な分娩キット」
なのです。



ちょっと画像だと小さくて見えにくいですが、

左側から順に、
この道具は何なのか解答していきますね。



左から


① 安全かみそり

② (500円玉くらいの大きさの)白いまな板

③  へその緒を縛るひも

④ 手を洗う石鹸(茶色の)

⑤ 土間に敷くビニールシート

⑥ このキットの使い方説明書

無医村の村に住む女性たちが、自宅で安全に分娩できるように・・・
作られたキットです。

途上国の多くの女性は、自宅で分娩するけれど、出産に関する正しい知識を持っていない。
だから、中には、お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒を、
道端に落ちている尖った石や、ガラスの破片、竹や、草刈鎌で
切ってしまうため、
破傷風になって、お母さんも赤ちゃんも命を落とす、という話も聞きます。

それから、字が読めない女性たちにも、わかるように、
このキットの説明書は、で大きく解説されています。

ジョイセフは、このような自宅で分娩する際に必要なキットを、


現地で活動するジョイセフと同じようなNGOと協力して、村の女性一人ひとりに配布しています。


配布の際に、ただ配布するだけでなく、


正しくキットが使われるよう、そして危険な出産を予防できるように、下記のように村中のお母さんたちを集めて研修会を開いて、教育・トレーニングをしています。

続きは、次回に~☆

5 件のコメント:

panda さんのコメント...

分娩セット これだけで??と思うくらい最低限ですけど、
へその緒を断ち切るってすごく重要なのですね。
命を繫いでくれる大事な箱
初めて知りました、有難うございます。

みほ さんのコメント...

本当に最低限のセットですね。
でも、私がこれで産めといわれてもできません。どこからどのようにお母さんとあかちゃんを守っていけばいいのか難しいです。考えさせられます。
関係ないですが、あかちゃんポストに入った新生児は病院でうまれたのかな??

ミッチ。 さんのコメント...

Pandaさん、そうなんです。
最初、私も中身を知らずに、箱を手にしたとき、「こんな軽い箱に何が入っているのだろう・・・」と
思ったくらい、
トランプの箱っぽいけど、中身は軽いこの出産キット。

これは、ネパールのものですが、
私が今まで見た中で、一番小さな(最低限の)キットです。
国によっては、産湯を入れるタライもセットになっていたり、暗いところで明かりを灯すランプもセットに付いているところもあります。

こんな簡易なセットだから、やはり、正しく使われないと意味がないものになってしまうんですね。

なので、ジョイセフは、一人でも多く、助産師やお産婆さんを育てて、この出産キットを正しく用いて安全な自宅分娩ができるようにもしています。

ミッチ。 さんのコメント...

みほさん、私も同じです。
これで、産めといわれても絶対にできないと思います。
本当に、どういうように支援をしたら良いのか、どこから始めればよいのか・・・って考えてしまいますよね。
無医村だから、病院などの建物の設置をすればいいかというと、村に居る優秀な医者は、都心の病院へ移っている(給与の高い)のが現状。
村に、病院という箱だけ作っても、支援は失敗に終わってしまいます。
その中に入って運用する、医者であり助産師を育てることがまず大事。そして女性が、自らの意思で病院に通えるよう、夫や父親である男性の意識も変えないと行けない・・・(病院へ検診に行くための費用を女性に渡すなど)
ジョイセフが40年間継続して行い、成功してきた支援は、こうした村人と一緒に運動として行う意識改善や、啓発教育、村長や助産師などの指導者研修。人の意識改革をすることで一時的な支援に終わらず、長く村に根付いて村人自身が自らの力で、改善していくことができるようになします。

赤ちゃんポストの新生児について、詳しく触れられているニュースはないですが、新生児だけでなく3歳前後の子どもも入所したと聞いていますね。子どもたちの多くが、病院ではない場所で生まれ、出生届は出されていないのかもしれませんね。

natsu さんのコメント...

お久しぶりです。natsuです。
ご無沙汰しておりました。

6月22日キャンドルナイトの日、
予定日より10日も遅れましたが、
無事に女の子を出産しました。

バースプランにて、「できるだけ自然に近い形で・・・」と希望しておりましたら、
生まれる直前に、助産師さんの計らいにより、娘の手を握ることができました。

つまり、結果的に私が娘を取り上げたような形での出産となりました。

とても有意義で印象的な体験となりました。

上記に「自然な形で・・・」と書きましたが、これも日本の衛生面や医療体制の整備があってこそのことだと、このトピックを拝見して改めて思ったところです。

ここ日本は、とても恵まれた豊かな国なのですよね。そういった普段は気にも留めないようなことを、今回の出産を通して、またこちらに参加させていただくことで、より強く感じています。

これから、またボチボチ参加させていただきますね。どうぞよろしくお願いいたします!