2008年3月11日火曜日

アフガニスタンのお産の話


皆さん初めまして。ワカです。

今日から一か月アフガニスタンについて書きます。


写真のぐるぐる巻きの赤ちゃんはアフガニスタンのジョイセフが支援するナンガハール州のクリニックで生まれた赤ちゃんです。


今日はお産の話です。

ジョイセフが支援しているアフガニスタンの農村地域では、ほとんどの女性が自宅で出産します。出産の際には村に根差す産婆さんが立ち会ってくれます。もちろん超音波の機械なんてありませんから、写真のような聴診器を使います。

(アフガニスタンの農村ではまだまだ女性が肌を見せて写真に写ることはタブーなので、写真にはおなかだけ写っています。)


家族に見守られ幸せなに出産できるはずの女性たちですが、悲しい現実があります。妊娠や出産で母親が死に至るケースが多いのです。その数は日本の330倍。世界で2番目に悪い数字です。


<早い結婚と多産>
アフガニスタンの農村では女の子たちは十分な教育を受けないまま、12~3歳で結婚を始め、出産が始まります。多く産む女性が尊敬されるため子どもを毎年産みます。アフガニスタンでは一人の女性が一生に産む平均子ども数は7.18人です。(日本は2006年に1.26人)




<慣習と迷信>
出産は村の産婆さんが立ち会います。産婆さんたちが信じる妊娠・出産に関わる慣習や迷信の中には母親と赤ちゃんに危険なものが多くあります。


迷信の例
・へその緒を石の上に乗せてナイフで切って赤ちゃんの首に巻くと健康な子が育つ
・分娩中に母体のお腹をお椀で押しせば赤ちゃんが出やすくなる。
・異常出血もかまどの灰や地面の土を塗ると止まる。

その他、出産は他人に見られてはいけない不浄なこととされているため、牛やヤギを飼う家畜小屋で隠れてひっそりと行われます。女性は日常的に他の男性に顔を見せたり肌をさらしたりすることはできないため、母体に危険な状態が生じても、男性の医者が多い病院で容易に診察を受けることさえできません。




そのような状況を少しでも改善するために、ジョイセフの支援により、村にクリニックが建設され、現在女性の医者も勤務しています。母親たちは少しずつ産前の検診を受けにきたり、産後に赤ちゃんの予防接種に来たりするようになりました。


まだまだ自宅で産む女性が多い地域ですので、自宅で出産する際に介助する産婆さんたち正しい知識を知ってもらう研修も行っています。

次回はアフガニスタンのバラのお話です。お楽しみに!

7 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 アフガニスタンは政情不安定であり因習も厳しい地域ですのに、ジョイセフは、正しい知識を広め環境を整え...と 本当に頑張って活躍されていらっしゃいますね。
 厳しい出産条件の中、無事に生まれてくる子供達が、平和の下で無事成長出来ますように。武器を持って戦いに駆出される事なく。
 

bis さんのコメント...

最初の赤ちゃんの写真は、おくるみがとてもかわいいですね。
ぐるぐる巻きですが・・・。

子供をたくさん産む事が尊敬の対象になるのなら、どうして清潔な環境が与えられないのか本当に不思議です。
理解を超える文化や風習、迷信がいまだに生きている。ひとりでも多く“安全な出産がある”事を知って欲しいですね。

ミッチ。 さんのコメント...

ついに、出産まであと1ヶ月となりました。
アフガニスタンの話を聞くと、あまりにも理解不能な迷信や慣習が残っていて、本当に私は日本人でたまたま生まれ育ったことを感謝しまくる気持ちになります。
そして、アフガンの女性たちを助けたい、なんとかしたいーという強い気持ちに駆られます。
自分が妊婦になってから特に、私は、こうしたアフガニスタンのような現状を、日本のママたち、女性たちに知ってほしいという気持ちが大きくなりました。
妊婦だからこそ、共感できることが多いと感じたからです。
自分がもし、こんな厳しい条件下で出産することになったら・・・
想像するだけで震えます。

出産で死ぬかもしれない・・・なんていう恐怖は、どの女性にも味あわせたくないです。
1人でも多くの女性たちが、安心して出産できるように、マザーのみなさん、ぜひぜひ、これからもご協力お願いします。
ここでのブログの話、ぜひ、お友達やご家族にしていただければ・・・、1人でも多くの日本人に知ってもらえれば・・・と思います。

ワカ さんのコメント...

皆様コメントをありがとうございます。

第一回目はちょっと悲しいお話でしたが、次回は心温まるバラの花お話ですのでお楽しみに。
明日には更新できるかな。。。

Unknown さんのコメント...

若くして結婚し、尊敬されるために多くの子供を産む女性達。思えば、何世代か前の日本もそうだったんですよね・・・子供を産むのも、育てるのも命がけ。たくさんの兄弟の中でも3歳、5歳、7歳を迎える前に亡くなる子も多かったので「良くここまで無事に育った」という意味合いを込めて七五三を祝ったと聞いた事があります。

ジョイセフの支援によって、正しい知識が広まることは本当に重要ですね。なるべく早く、危険な迷信が間違いだとみんなに気づいて欲しいです。

ところでミッチさん、もうすぐご出産とのこと、がんばってくださいね!

ミッチ。 さんのコメント...

k-ka さん、応援ありがとうございます!!

ついに完全産休に入って、いまは家で出産&産後準備ラストスパート中です。

まだまだBabyの頭が上の方にあるということで、朝、晩は30分ずつ歩くように・・・と助産師さんから言われ、ウォーキングにも励んでいます(汗)

みなさんのような素敵なマザーを目指して頑張ります!!!(^v^)

履歴書 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。