2008年2月1日金曜日

日本の自転車、アフリカで大活躍!

タンザニアで、妊婦さんたちが亡くなってしまうことの原因のひとつは何でしょうか?

不衛生なお産。それもあります。
栄養が足りていない。それもあります。
HIV/AIDSなどの感染症によるもの。それもあります。

ひとつ、統計にも載っていないものがあります。
それは、手遅れです。


知識がありません。

遠い病院に行くためのアクセスがありません。

妊娠をしても、ケアをしてくれる人材がありません。


主に、これら3つの不足から、処置や発見が遅れてしまうのです。
「手遅れ」で亡くなってしまうお母さんたちがたくさんいるのです。

* * *

そのことは、頭では分かっていました。
でも、今回タンザニアに行って、そのことを実感してきました。

どこの村に行くにも、とにもかくにも遠い!!!!

そのことを特に実感したのは、モロゴロ州というところにある、
ムフンブウェ村に行った時でした。

なにしろ、塗装が全くされていないガタガタ道。
私たちのチームのワゴン車やジープはまるで震度MAXの耐震車。
生きていて、こんなに頭の脳みそがかき回されたことがあったのか?!
というくらい、あまりにもな凹凸道。
車の窓ガラスに頭をガンガンぶつけながら行きました。

こうした着いた村に、ジョイセフはクリニックを立てたのですが、とても納得。
こんな遠いところから、病院までなんてとても行けない!!!

それまでは、こんな風に運んで、何キロもある道を歩いて、
やっと車のある通りに出るのだとか。
でも、車のある通りに出ても、そこから町に出るまでは、
またしてもあのガタガタ道を通っていかなくてはなりません。

健康体の私でさえ、あんなに辛かった道。
あの道を、病人や妊婦さんが通って病院に行く…?
これは大変!!!!

検診を受けるためには、そんな凸凹道を通らなければなりません。
でも、そんなの危険だし面倒ですよね?
なかなか検診を受けようとするお母さんがいないのも納得です。

そこで!
ジョイセフは、豊島区を始めとする13の自治体と一緒に、
駅前にある放置自転車で、誰も引き取り手がなかったものを、
綺麗に再生し直して、途上国に送っています。

タンザニアには1989年から2007年までの間、6425台の自転車を送り続けてきました。
その自転車は、タンザニアで保健の活動をしてくれているボランティアさんや
研修を受けた伝統的助産師さんが、各家庭を訪問したりする時に使っています。

ひとつの村と村だけでなく、ひとつの家々が離れているので、
自転車に乗ることによって、効率よく回ることが出来ます。
さらに、急に産気づいたお母さんや、急病人を運ぶことが出来る
救急二輪車としても大活躍するんです(^^)/

このボランティアさんたち、自分たちも決して裕福な生活をしているわけではありません。
でも、この村の人たちのためになることをしたい。
この村のお母さんたちを救いたい。
そう思って活動しています。

そして、自転車は、村の人々の年収にも相当するものです。
自転車、特に日本の「ママチャリ」と呼ばれる自転車に乗っていることで、
「あぁ、あの人は村のために働いてくれている保健ボランティアさんだ」と
村の人たちから感謝され、尊敬されるということも、
保健ボランティアさんたちの活動の原動力になっているのです。

日本では、駅前に放置されて、誰からも引き取られなかった自転車。
その自転車が、現地では「命の足」とも呼ばれています。^^

 ◇    ◇    ◇

【元祖スリング?】
最近、日本でもよく見かけるスリング。
タンザニアでは「カンガ」と呼ばれる、カラフルな布をあらゆることに駆使しています。
カンガはスカートにもなるし、頭にぐるぐる巻く帽子のようなものの代わりにもなるし、
↓のようにスリング風にしたりしています。

日本のスリングのように、金具なんて付いていませんけれど、
本当に布一枚で、くるくるっと赤ちゃんを上手におぶっている(横抱きもあり)んですよねぇ。
模様や色も本当に多くの種類があり、タンザニアの女性、本当におしゃれさんなのです!

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 救急自転車! びっくりしました。
ジョイセフの皆さんだけでなく、自転車もタンザニアで大活躍しているのですね。
放置された自転車がキレイに修理されて海を渡り、人の命を救うために活躍しているとは...自転車も幸せものです。

匿名 さんのコメント...

ほんとうに。いつも思うのですがジョイセフの活動ってなんて地に足がついた、現地の状況をよく理解して行われているんだろうと、関心してしまいます。自転車を送るだけでなく、修理もできるように技術も教えたり。そのことが自立にも繋がったり。素晴らしいですね。私なんか単純にもっともっと自転車を送ってあげたくなっちゃいますが、そう単純な問題ではないのかな。
それからカンガという布、素敵ですよねー。使い方を限定せず、用途に応じて使い分ける。布も現地の女性が織っているのですよね、きっと。まさにエコだわ。私たちも学ばせてもらうことがたくさんありますね。

匿名 さんのコメント...

それからこちらでも改めてご報告させていただきますが、
このブログに新しくmotherメンバーの方が4〜5名参加されますのでどうぞよろしくお願いいたします!すでにbisさんコメントありがとうございます!みなさんも遠慮なくどしどし書き込んでくださいね。HPに掲載する際は少し編集もしますので、全てが掲載になるとは限りませんのでお気軽にご参加くださいね!

chico さんのコメント...

*pandaさま*
コメントありがとうございます!
救急二輪車、国によっては、自転車2台の間に担架のようなものを置いて、正に病人を運ぶ救急車になっている国もあります。

タンザニアの村で出会った保健ボランティアの女性も、ボランティアになって一番印象に残っていることは、産気づいたお母さんを荷台に乗せて、必死になってクリニックまで運んで、無事お母さんと赤ちゃんが生まれてきたことだと、嬉しそうに話していました!(^-^*)

*motherさま*
嬉しいコメントありがとうございます!
タンザニアなんかは、もう分解の自転車を送っても随分上手く組み立てたり修理したり出来るようになったみたいですよ。
最初の頃は、ハンドルやサドルを反対に付けたまま走ってしまったり、色々なトラブルもあったみたいですが…(笑)

カンガ、素敵ですよねー。
日本の風呂敷も色々な用途に使えますが、それを更に上を行くカンガ。だって、スカートにもシャツにもショールにも帽子にもスリングにも、数えきれない用途で駆使されている!すごい!!

chico さんのコメント...

*motherさま*
新たなに4~5名のmotherメンバーの方がご参加との嬉しいニュースをありがとうございます!bisさんの他に新たにどんな素敵なmotherメンバーの方が!!
楽しみです!!!!

コジマユウコ さんのコメント...

はじめまして。
新しく参加したメンバーの一人、
コジマと申します。
これからもよろしくお願いします。
遅くなりましたが、コメントをさせていただきますね。

自転車のこと。

私などは、自宅に2台も自転車があります。
しかし近辺に坂が多いので、
日々重くなる子供を乗せて走るには
電動自転車が欲しいとのたまわって
オークションを巡回している毎日です。

しかし、こちらの国では
舗装もしていない凸凹道で救急のときも間に合わず
人が亡くなってしまう。

自分のことと照らし合わせると、
本当に恥ずかしくなる。

消費社会日本は、モノを1つ手にしても
それじゃ満足させない構造になっているんですよね。

日本のmotherたちの意識、
自分も含めてこの先どう変わっていくんだろう。

こういうお話を読むと、
いままでは、興味はすごくあるけど、
自分が直接支援に参加できるわけではないから、
とか、
知ってしまうと自分の日々の生活と照らし合わせて
罪悪感を感じてしまうから、などの理由で
見ないふりをしていたのですが、

「知ることがボランティア」という都合のいい理由をつけて。。。。

まずは知って、次に自分の周りの状況を考えることに
意義があるのかなと思います。

これからも、よろしくお願いします。

コジマユウコ