2007年7月31日火曜日

パキスタンの女性たち


初めまして。マコです。最近同じ名前のネコの写真集を見つけて、密かに自分の分身と思ってマス。

ミッチが最後に書いてから随分、間をあけてしまいました。ごめんなさい。パキスタンの後すぐベトナムに出張していて遅くなってしまいました。

さて、ちょこっとだけ自己紹介です。ジョイセフに入ってから6年。
その間、議員さん向けに情報提供のための勉強会を開いたり、ジョイセフと同じ目的で世界規模で活動している国際家族計画連盟(IPPF)の東京連絡事務所の役割をしたりと、わりと裏方の仕事をしておりました。


今回は、初めて国連人口基金(UNFPA)の親善大使をしている有森裕子さん(あの、元マラソンランナーの、バルセロナオリンピックで銀メダル取った方です!)のパキスタン視察に同行してきましたので、そこで出会った女性について何回かに分けてお話したいと思います。

パキスタンというと皆さんが思い浮かべられるのは、何でしょう?
私が思い浮かべたのは核兵器でした。最近、自爆テロや政治不安によるデモなどでメディアを賑わせていましたが、とにかく何も知らないので、怖いイメージしかありませんでした。ということで、飛行機の上でもドキドキでした。

でも実際、飛行機を降り立ってみたところ、みんなとても親切でしたし、そこここで危険と隣り合わせということは、少なくとも私たちがいる間はありませんでした。ただ、一歩外に出ると、やはり様々な「差」に目が行きます。

まず、外を出歩いている人は、ほとんどが男性であるということ。
女性が、1人で外に出歩くというようなことは滅多にありませんし、女性と男性が混在しているということもほとんどありません。女性と男性は、生活の基盤が別々の場所に設けられているのです。

また、常に40度台(!因みに私が経験したパキスタンでの最高気温は48度!!!)の気温の中でクーラーの利いた建物の中で過ごしている人もいれば、ただ熱く重い空気をかきまぜるだけの扇風機で我慢せざるを得ない人たちもいます。

首都のイスラマバードや、観光都市として有名なラホールでは、スカーフを頭から被っていない女性や半そでのシャルワカミューズ(伝統衣装)を着ている人たちもいましたが、農村地域では女性はほぼ必ず、スカーフを被り、長袖で、カメラを向けるとそのスカーフで顔を隠してしまっていました。女性は、なるべく肌や身体の線、髪などを隠すことが礼儀とされているようです。
(ただ、この衣装、「差」を感じさせるものだけでもなくて、50度も超えるような気候にはわりと理に適っているのです。ジリジリ焼けそうな太陽の下では長袖長ズボン、スカーフを頭から、という格好の方が暑さをしのげるし、だぶだぶの状態の方が、風が通って滝のような汗にも耐えられます。こんな中で私はとても洋服は着ていられませんでした。。。)

それに、都市部では堂々と英語で話す人にも多く会いましたが、村の方では、必ずといっていいほど、現地語であるウルドゥー語と英語の通訳が必要でした。

教育、経済、地域、男女。。。いろいろな差や区別、壁などがある中で、常に前を向いて一生懸命生きている、パキスタンの女性たちを紹介していきたいと思います。

と、ここまで書いたところですでに長くなってしまったので、続けて何回か投稿していきますので、宜しくお願いします~

今日の写真は、シャルワカミューズを来た女性たち。極彩色!

2007年7月4日水曜日

出産時に必要な最低限の分娩キット。

ずいぶんとご無沙汰しちゃいましたね。(ごめんなさい・・・)
今日から、数回に分けてジョイセフの妊産婦支援活動を紹介します~。

これまで、途上国の多くの女性たちが、妊娠・出産時に亡くなっている(寿命も短い・・・)・・・
その理由が、
日本をはじめ、先進国で生活していると、想像がし難い理由ばかり。
村に病院がない、
出産を介助できる専門知識のある人もいない、
不衛生な環境、
栄養失調、貧血
無知(必要な情報を得られない)、
嘘の迷信や慣習を信じている・・・

などがあげられると書きました。



さて、下の写真を見てください。
この赤い箱は何だと思いますか?

これは、ちょうどトランプの箱くらいの大きさの紙でつくられた箱です。




絵から、なんとなく、
お母さんと赤ちゃんのための何か
であることは想像できると思います。


そうです!

これは、お母さんと赤ちゃんを救う箱なんです。

箱の下の方に

MCHという英語がありますね。

その意味は、まさに、

Maternal (お母さん)
Child (子ども)
Health (健康)


この箱の中に、下記のような6つの道具が入っています。

これが、実は、ネパールで使われている
お母さんが自宅で出産する際に「必要最低限な分娩キット」
なのです。



ちょっと画像だと小さくて見えにくいですが、

左側から順に、
この道具は何なのか解答していきますね。



左から


① 安全かみそり

② (500円玉くらいの大きさの)白いまな板

③  へその緒を縛るひも

④ 手を洗う石鹸(茶色の)

⑤ 土間に敷くビニールシート

⑥ このキットの使い方説明書

無医村の村に住む女性たちが、自宅で安全に分娩できるように・・・
作られたキットです。

途上国の多くの女性は、自宅で分娩するけれど、出産に関する正しい知識を持っていない。
だから、中には、お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒を、
道端に落ちている尖った石や、ガラスの破片、竹や、草刈鎌で
切ってしまうため、
破傷風になって、お母さんも赤ちゃんも命を落とす、という話も聞きます。

それから、字が読めない女性たちにも、わかるように、
このキットの説明書は、で大きく解説されています。

ジョイセフは、このような自宅で分娩する際に必要なキットを、


現地で活動するジョイセフと同じようなNGOと協力して、村の女性一人ひとりに配布しています。


配布の際に、ただ配布するだけでなく、


正しくキットが使われるよう、そして危険な出産を予防できるように、下記のように村中のお母さんたちを集めて研修会を開いて、教育・トレーニングをしています。

続きは、次回に~☆