それはバラの花なんだそうです。アフガニスタンはバラの自生地で、1970年代にはバラの油を輸出していました。人々はバラを愛し、家の前に植えていました。今でもバラはアフガニスタンで最も人気のある花のひとつです。赤いバラは愛する人に、黄色いバラは別れを告げる時に、捧げるんだそうです。(*^^*)
ジョイセフが2002年から母子保健を支援しているナンガハール州の農村は、前回のブログに書いたように、多くの女性や赤ちゃんが亡くなっていますが、母子の栄養改善のために、内戦の終わった乾いた土地を耕し野菜や果物を栽培することも支援しています
「おいしいザクロがなりました」「カボチャも大きく育ちました」そんな報告が届いていた2005年のある日、「バラを育てたいんだ」突然現地のNGOのババックさんから要望が届きました。
「どうしてバラなの?お金になるのかな?」そんな私の疑問に、ババックさんは「バラはアフガン人にとっての心の花なんだ。」と言うのです。換金することを考えた私って、心が乾いてるなーと反省です。(^^;
ババックの家族(奥様は残念ながら写っていません)
翌年にはトップの写真のような美しいバラの写真が何枚も送られてきました。ババックさんは嬉しそうに「バラ園ができたら、真っ先に妻を連れていくよ」と言っています。もちろん赤をたくさん植えたのだとか。
23年に渡る内戦で破壊され、ソ連軍が残した地雷が多く埋まるこの土地は、耕すのだって大変です。内戦が終わっても、干ばつと洪水の繰り返しで、村人たちの苦労は裏切られてきました。荒れた土地でも簡単に育ち、お金になるものは。。。多くの農民がケシ栽培に手を染め、現在ではナンガハール州の全22県中、19県でケシの栽培が確認されています。(※)
ケシ栽培の様子
ケシではなくてバラを。地雷ではなく心の花を。そんな村人の気持ちを一緒に応援し続けたいと思っています。
※アフガニスタンは世界のケシの生産の87パーセントを占め、ケシの栽培で不法に外国に輸出される取引価格はアフガニスタンの国内総生産(GDP)52億ドルの内、61パーセントの27億ドルに相当すると推定されている。